mactan島

なんだか元気のない日本。
その元凶は少子高齢化社会になったから。
それに比べて元気のあるフィリピン。
子供は宝です。

「N国」に乗っかる維新がみっともない

国会議員の受信料不払いを黙認するなら、大阪市も払わない―。維新代表、松井一郎大阪市長の発言が物議を醸した。「NHKから国民を守る党(N国)」への批判とジョークかもしれないが、不払いという違法行為を党代表が「公言」した格好だ。とはいえ、そもそも共通点が多いN国と維新。両党の連携はなきにしもあらず?


松井一郎さん、いっそ維新も「N国」と組んだらいかが?


『上西小百合』 2019/08/08
上西小百合(前衆院議員)


 先の参院議員選挙で、法律に反してNHKの受信料の不払いを主張する政党「NHKから国民を守る党(N国)」が誕生した。契約者のみが視聴できる「NHK放送のスクランブル化」というワンイシューを掲げると共に、党首の立花孝志氏はこの目標が達成された際には党を解散、自身も議員を引退することを宣言しているわけだが、私にはこの政党の手法が日本維新の会とダブって見えて仕方がないのだ。


 理由は三点。一点目は前回の私の記事でも触れたように、ワンイシュー政党であるということ。維新の実績・公約の主張の仕方を見ると「身を切る改革」のワンイシュー政党と言ってもなんら遜色はない。


 二点目は、両党とも「公約が実現すれば解散」と宣言し、議員報酬が欲しいわけではないように見せかけることで、信用を勝ち取る手法をとっている。


 維新は「住民投票で大阪都構想が実現すれば解散」と主張している。ただ、前回の住民投票の際には「住民投票は一回しかやらない」と言いながら、いざ否決されると「もう一度する!」とコロコロ言うことを変えるから信用できなくなっている人も増えている。化けの皮が剝がれたということだ。


 そして、三点目は炎上を自ら引き起こしてでも、話題性を獲得したいという点だ。
 「炎上女王」というあまり有り難くないあだ名がある私はいつも自然発火なので、この気持ちは理解し難いのだが、N国党は「政界渡り鳥」との異名を持つ渡辺喜美議員や、直ちに進退判断を促す「糾弾決議」を衆院で全会一致により可決された丸山穂高議員と炎上覚悟の連携をしている。


 維新は党のホームページに「レッツ炎上」という言葉を恥ずかしげもなく掲載し、維新の女性議員たちが「少女時代です!」と喜々として自己紹介をする動画をユーチューブにアップしている。


 韓国の女性アイドルグループ名と同じネーミングにした理由も聞いてみたいのだが、あまりの違和感に見ているこちらが恥ずかしくなってしまい、冒頭で視聴を止めてしまった。誤解なきよう堅苦しいことを言わせていただくが、「少女」の対義語は「少年」で、少年法第一章第二条では「二〇歳に満たない者」と定められている。だから違和感が半端ないのだ。しかし、維新議員の悲しさはN国党代表とは違って、本部が地方ゆえ全国的な存在感がなく、わざわざ素っ頓狂(すっとんきょう)なことをしても炎上すらできないところだ。

日本記者クラブで会見する(左から)松井一郎大阪市長と吉村洋文大阪府知事=2019年5月15日、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)


 このように似た者同士の維新とN国党なのだが、N国党が受信料の不払いを主張していることについて、維新の代表を務める松井一郎大阪市長が「国会議員の受信料未払いをNHKが見て見ぬふりをするなら、一般の人にも認めないとあかん。(受信料の支払いを)大阪市もやめる」と発言し、同じく維新の吉村洋文大阪府知事もこれに追随し「大阪市が払わないのは当然だし、府も払わない」と話した。この良識が欠如した発言には開いた口がふさがらない。
法律で定められていることなのだから、「認める」「認めない」という短絡的な話ではない。違法は違法であって、国会議員が違法行為をしたからと言って、国民や自治体が違法行為をしても構わないという理論はない。どちらもアウトだ。「赤信号みんなで渡れば恐くない」という姿勢には驚愕(きょうがく)させられる。


 このように、松井代表の発言が非常に問題であることは言うまでもないが、この発言がしたければ、すべての維新の所属議員、議員関係者が過去にNHKの受信料を支払っているという前提が必要だ。私はここに非常に興味を持っている。過去に政治資金規正法違反が指摘された地方議員を幾名も所属させていただけに、NHK受信料を支払っていない議員も存在すると私はにらんでいる。


 維新にはぜひ、所属議員や議員事務所、議員秘書など関係者、関係各所の過去のNHK受信料の領収書を公開していただきたい。それこそ彼らの大好きな炎上が見られるのではないかと思っている。


 松井代表は丸山議員が参加するN国党に何か文句をつけたかったのかもしれないが、これではN国党に同調し、後方支援をしているかのようなマヌケな惨状に陥っている。彼がよく行う、浅はかなパフォーマンスはいつも失言につながる。


 以前も江田憲司議員に対し、ツイッターで「痴呆症の症状が見受けられます(原文ママ)」ととんでもないコメントをして、慌てて撤回謝罪したことがあった。やらかしては火消し作業にいそしむというコントの繰り返しで、今回も例にもれず「『大阪市も払わない』というのは松井一郎代表の『例えの話』だと思う」と日本維新の会の馬場伸幸幹事長があっけらかんと言ってのけた。党代表の言葉はそれほどまでに軽いのかと何とも言えない不思議な気持ちになる。


 さて、違法行為を仄(ほの)めかす発言を堂々とできるほどにNHK受信料を支払いたくない松井代表は地上波のスクランブル化の議論も進めるべきだと強調している。


NHKから国民を守る党への入党を表明し、立花孝志代表(左)と握手する丸山穂高衆院議員=2019年7月29日、衆院第二議員会館(古厩正樹撮影)


 丸山議員が所属しているから嫌かもしれないが、N国党との連携を模索してみたら面白いかもしれない。ついでに同じく受信料を支払いたくない玉木雄一郎代表の国民民主党も誘って。そうすれば、国政政党日本維新の会が何か変わるかもしれない。松井さん、今までみたいに何もしなければ、いつまでも自民党の補完勢力のままですよ。維新にはどっちを選んでもイバラの道ですが…。いかがですか?

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